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2020年02月02日

eSRU第15期第2講案内

日時:2020年2月13日(木) 18:00〜19:30
講師:北海道科学大学(北科大)宇宙開発研究同好会工学部 電気電子工学科2年芳賀和輝君&同会顧問三橋龍一教授
演題:「宇宙開発研究同好会の活動で会得した最新加工技術と衛星プロジェクトの近況報告」
場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:宇宙開発研究同好会は能代宇宙イベントやハッカソン等で金属やプラスチックの加工を経験しました。さらに加工できる材料の種類を増やしたいと考え、木材やMDF・コルクなどへのレーザー加工を試みながら、ものづくりのレベルアップを目指しています。利用したレーザー加工機は光のエネルギーを使って加工を行うため、フライス盤のような切削機械では難しい薄板に対して、非接触で加工ができ、彫刻、切断、穴あけなどができる加工機です。同好会オリジナルグッズをレーザー加工機で作成しながら、加工機の使い方やレーザーの特徴を学んでいます。その時の加工した実物や加工上での工夫についての経験談を披露していただきます。
 また、そのレーザー加工機で使用されているテクノロジーを応用してロケット燃料点火装置の開発も始めました。2020年1月末に同好会で設計開発したオリジナルレーザーロケット燃料点火装置で、JAXAが開発している新しいタイプの固体燃料に点火する実験を赤平の植松電機の実験施設で行い、成功しており、その経緯のお話もあります。
 さらに、衛星プロジェクトの近況を同好会顧問の三橋先生にも語っていただきます。
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2020年01月23日

eSRU第15期第1講

 eシルクロード大学(eSRU)第15期第1講は
2020年1月16日(木) 18:00〜19:30講師に
北大名誉教授・北科大客員教授 青木由直氏をお迎えし
「爪句集全50巻出版に向けて」の演題のお話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場 U-calaでした。
 同講師はこれまでA7判200ページ、オールカラーの爪句集の出版を続けて来ており、現在クラウドファンディング(CF)の支援を受けながら第42集目の出版を進めています。今後3年間で当初の目標の第50集までの出版が視野に入って来ています。全50巻の出版に向けて、過去の実績を引用してその実現につき語っていただきました。
 「爪句」なる造語がどのような経緯で作り出されたのかの解説がありました。新聞記事を引用して「デジタル文芸」の一環として爪句の創作を開始した経緯、1万句を目指して作句を続け、作品を毎日ブログ記事として投稿いる紹介がありました。ドローンを飛行させ撮影した全球パノラマ写真に爪句を付けた例を、ネットで全球パノラマ空撮写真をアクセスし表示するデモあり、爪句の1例が示されました。
 ブログ記事をカテゴリー別にして爪句集に編集、出版しており、「クイズ・ツーリズム」のテーマで出版された爪句集の紹介がありました。ここで「クイズ・ツーリズム」は講師の造語でもあり、その意味するところの解説がありました。又「爪句@マンホールのある風景」は北海道新聞の書評でも取り上げられ、その紹介がありました。
 爪句集にビットコインで定価を表示する試みのお話がありました。相場の変動が激しいビットコインによる本の定価の表示は現実的な意味を持たないとしても、ビットコインの口座のQRコードが印刷された本としては、他に類をみないとの解説がありました。講演時のビットコインの相場をネットでチェックするデモも行われました。
 書籍出版のCFのノウハウ等についても、これまで5回ほどのCFを実行した実績を基に、語っていただきました。新しく開始されたCF会社のfind HでCF実行者(アクター)の支援に工夫があってもよいのではないかの視点からの解説がありました。ACTNOW社のCFによる「爪句@天空物語り」出版は、北海道科学大学の「宇宙開発研究同好会」の活動支援も目的に加えたCFで出版された爪句集で、集まった支援金の半額が講演時に講師から同好会へ寄贈されました。
 出席者は10名でした。

デジタル文芸紹介記事A.jpg
(デジタル文芸紹介記事)

クイズ・ツーリズム爪句集A.jpg
(クイズ・ツーリズム爪句集)

ビットコイン定価爪句集A.jpg
(ビットコイン定価爪句集)

find HのCF宣伝A.jpg
(find HのCF宣伝)

ACTNOWのCF画面A.jpg
(ACTNOWのCF画面)

1・16(その5 )手抜きして 自分に来たり 講師役A.jpg
(講義会場風景:ここをクリックでパノラマ写真
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2020年01月09日

eSRU第15期第1講案内

日時:2020年1月16日(木) 18:00〜19:30
講師:北大名誉教授・北科大客員教授 青木由直氏
演題:「爪句集全50巻出版に向けて」
場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:講師はこれまでA7判200ページ、オールカラーの爪句集の出版を続けて来ており、現在クラウドファンディング(CF)の支援を受けながら第42集目の出版が進行中です。今後2年間で当初の目標の第50集までの出版が視野に入って来ています。全50巻の出版につき、過去の実績を引用してその実現につき語ってもらいます。書籍出版のCFのノウハウ等についても、これまで5回ほどのCFを実行した実績を基に、語っていただきます。爪句集出版の意義―デジタル文芸の普及についても講師の考えている事を述べてもらい、参加者との意見交換を行おうとしています。
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2020年01月03日

eSRU第14期第12講

 eシルクロード大学(eSRU)第14期第12講は
2019年12月19日(木)18:00〜19:30、講師に
北海道科学大学(北科大)宇宙開発研究同好会 橋俊暉君を迎えて 
「学生目線からの宇宙開発」の演題でお話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場 U-calaでした。
 本年(2019年)から北海道科学大学(以下、北科大)宇宙開発研究同好会は超小型人工衛星(CubeSat)の開発に挑戦しています。宇宙開発についての話題を耳にすることが多い昨今の北海道で宇宙開発に挑戦している同好会の活動の軌跡について話をしていただきました。また、活動の軌跡から宇宙開発に挑戦している学生がどのようにして宇宙開発を志したなどかも話していただきました。
 最初に同好会員が宇宙開発研究同好会に入会した理由の紹介がありました。
・「ものづくりを行うことができる部活への入部を希望していたため」
・「宇宙開発への憧れがあったため」
という理由が多数でした。この結果から入会以前から宇宙開発を志す学生が多いことが分かりました。入会以前から宇宙開発を志した学生の例として高橋君が祖母に連れられ青少年科学館を訪れた事や、宇宙開発に関する漫画を読んだ事がきっかけとなったと話していました。
 本題の講義に入り、昨年(2018年)の7月に行われたUNISEC総会に参加した際の話がありました。UNISEC(NPO法人 大学宇宙工学コンソーシアム)とは、2003年に創設された大学・高専学生による手作り衛星(超小型衛星)や缶サット(超小型の模擬人工衛星)、ロケットなど宇宙工学の分野で、”実践的な”教育活動の実現を支援することを目的とする特定非営利活動法人で、同好会顧問の三橋教授が理事を務められているとのことです。UNISEC総会は2日間行われ、初日は横浜国立大学にてUNISON全体会議と各種ワーキンググループ、2日目は東京大学にてUNISEC総会に参加しました。そこで衛星の製作を志す他大学の学生との交流があり同好会員の共通認識として衛星開発を挑戦しようという意欲が高まったそうです。
 衛星プロジェクトを開始するにあたって大学内外に衛星プロジェクトをPRするために7月下旬から、北海道新聞社が運営している「find H」でクラウドファンディングを実施したとのことです。クラウドファンディングの内容は「超小型人工衛星の開発を目指し能代宇宙イベントに参加する大学生を応援」というもので、学生が能代宇宙イベントを通して実践的に開発について学ぶことを目的に始められました。最終的に目標金額の212%を達成し、自分らの活動を応援してくださっている卒業生らが多くいることを知り、励まされたとのことです。
 能代宇宙イベントとは秋田県能代市で毎年8月中旬に行われる日本最大規模の学生/社会人によるロケット打上及び自律ロボット制御のアマチュア大会です。缶サットと呼ばれる自立制御型のロボットが気球から落とされ目的地を目指す競技などが行われます。宇宙開発研究同好会では缶サット競技に出場しました。本年の能代宇宙イベントの様子を動画で紹介があり、競技としては残念な結果でしたが、得るものが大きかったと感じているとのことです。動画の最後には旭岳山頂と手稲山の間での通信実験様子も紹介され、本格的に衛星開発を開始したとの話です。
 衛星プロジェクトは学外のエンジニアのサポートを受けて始動しされており、現在まではアンテナの基礎実験が行われている事が説明されました。アンテナを実際に衛星に実装するために理論に基づいた実験を行い、実際に得られる実験値を理論から求められる値に近づけるためのノウハウを学んでいるとの説明がありました。同好会で開発している衛星の目的が、CubeSatの衛星通信システムの世界標準規格を確立するものであり、無線機からアンテナまでを最先端技術と物理法則に基づいて開発を行っているためであるそうです。
活動をサポートしてくださっているエンジニアや、9〜12月に参加した計3つのハッカソンなどを通じて様々な方たちの出会いは驚きの連続であると感じているとの話がありました。12月開催の「北海道起業家甲子園」では、同好会のチームが最優秀賞を受賞し、来年(2020年)2月の米国シリコンバレー研修を経て全国大会に挑戦する機会にも恵まれたそうです。
 最後に今後の展開についての話があり、人工衛星の開発を通してどの様なスキルを身につけたいのかという人生の目標についての話がありました。

講演中の高橋俊輝君A.jpg
(講演中の高橋俊輝君)

宇宙開発を志したきっかけの説明A.jpg
(宇宙開発を志したきっかけの説明)

能代宇宙イベントの紹介A.jpg
(能代宇宙イベントの紹介)

12・19(その3)驚きは 学生実験 米招待A.jpg
(会場風景、ここをクリックでパノラマ写真
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2019年12月05日

eSRU第14期第12講案内

日時:2019年12月19日(木) 18:00〜19:30
講師:北海道科学大学(北科大)宇宙開発研究同好会
演題:「学生目線からの宇宙開発」
内容:北科大宇宙開発研究同好会は本年(2019年)から本格的にCubeSatと称される超小型人工衛星の開発に挑戦中です。その過程で、同好会のメンバーは今まで全く接点のなかった各方面の第一線で活躍するエンジニアらと出会うことが出来、それらの方々からの指導の下で、実践的な知識を学ぶ機会を得て来ています。同好会メンバーは「能代宇宙イベント(8/15)」でのもの作りや「Web x IoTメイカーズチャレンジ(9/29)」、「NASAインターナショナルチャレンジ(10/20)」のハッカソンに参加するという機会を得ており、さらに「北海道起業家甲子園(12/7)」にも挑戦して積極的な活動を行っています。宇宙開発への興味から活動を開始して、多方面の人たちとの関わりを通して、同好会メンバーが現在感じていることを語っていただきます。
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2019年11月30日

eSRU第14期第11講

 eシルクロード大学(eSRU)第14期第11講は
2019年11月21日(木)18:00〜19:30、講師に
潟nイデックス・和島会長和島英雄氏をお迎えして 
「電気工事業にeラーニングで『共育』を」の演題で
お話を伺いました。場所はいつものユビキタス協創広場 U-calaでした。
 少子高齢化や新卒採用の売り手市場で技術・技能系の人材確保が難しくなってきています。世代交代が急速に進む中、人材育成の早期化や若年層への技術継承は電力会社の各部門で共通の課題となっています。この現状に対処するため、電気工事業における人材育成や研修制度と「e ラーニング」の組み合わせについて考え、電気工事業の「e ラーニングシステム」の構築に関する試案について語っていただきました。
 最初に和島氏の経歴につき自己紹介がありました。林業土木コンサルタント会社や測量会社勤務の後に電気事業に関する測量設計事務所を開業し、現在の会社になっています。
 本題の講義に入り、まず左官工業における「e ラーニング」の導入例の紹介がありました。具体的には原田左官工業と中屋敷左官工業の例を動画で見せていただきました。これはプロの職人の模範的作業を動画で見て、自分の作業と比較しながら技能を身に着けていく方法です。1年間で塗りの技術を身につけ、4年で職人になれるようなプログラムが用意されていて、成功を収めているとの紹介がありました。動画はユーチューブで公開されていて、見習い工はそれを見ながら自主的訓練(自主練)ができるようになっています。
 電気工事業の人材育成・技術継承に「e ラーニング」を採用せねばならない現状や背景の説明がありました。少子高齢化や新卒の売り手市場により技術・技能系の人材確保が難しくなってきている背景で、世代交代が急速に進む中、人材育成の早期化や若年層への技術継承は電気工事関係企業の共通課題になっています。
 電気工事業務に必要とされるスキルは、保守業務では点検、事故対応、現場作業等があり、工事業務では工事・計画設計、工事管理、検査・試験等があります。これらの技能を身に着けてもらうため、「e ラーニング」を導入を考えているとの事です。導入に当たっては「教育」ではなく「共育」に重点を置く方針であるとの事です。単に仕事のスキルを教える事から、仕事の達成感や自己実現を「e ラーニング」に付与することで、システムがうまく機能するのを狙っているとの事でした。
 「e ラーニング」システムは構築段階で、その案が示されました。共育人材育成へ向けてのシステム活用のステップも流れ図で提示されました。これら一連の講義に対する質問やコメントが聴講者から出され、特に学生からの提案がありました。普通の動画では興味が湧かないので、ゲームやクイズ形式にしてスコアにより全員で評価しては、といった学生の感覚での意見がありました。有名人を使って動画を作成する、ユーチューバーと契約してコンテンツの制作をしては、といったコメントもありました。
 その一方で「e ラーニング」で教えられるままにロボットのようにはなりたくないのでは、ゲーム感覚で身についたスキルは実際的なものにはならないのでは、新入社員に徹底したヒアリングを行ってからシステム構築を進めるべきだ等々の意見も講義後の飲み会で耳にしました。いずれにせよ、システム作りには難題が横たわっているようです。
 聴講者は北海道科学大学の学生6名ほどを加えて14名ほどでした。

和島氏の経歴A.jpg
(和島氏の経歴)

講義中の和島氏A.jpg
(講義中の和島氏)

「e ラーニング」システム構築案A.jpg
(「e ラーニング」システム構築案)

11・21(その4)「共育」を 老青聞き手に 伝えたりA.jpg
(会場風景・ここをクリックでパノラマ写真)
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2019年11月09日

eSRU第14期第11講案内

eシルクロード大学(eSRU)第14期第11講案内です。

日時:2019年11月21日(木)18:00〜19:30
講師:潟nイデックス・和島 会長 和島英雄氏 
演題:「電気工事業にeラーニングで『共育』を!!」 
場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:少子高齢化や新卒採用の売り手市場で技術系の人材確保が難しくなってきています。世代交代が急速に進む中、人材育成の早期化や若年層への技術継承は電力会社の各部門で共通の課題となっています。この現状に対処するため、電気工事業における人材育成や研修制度と「e ラーニング」の組み合わせについて考え、電気工事業の「e ラーニングシステム」の構築に関する試案について語っていただく予定です。
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eシルクロード大学(eSRU)第14期第10講

eシルクロード大学(eSRU)第14期第10講は、
2019年10月24日(木) 18:00〜19:30
講師に潟Aイワード社長奥山氏をお迎えし、
「アイワードのカラー写真復元技術〜フジテレビの『お直しさん』から〜」の演題で
お話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。

 演題にもある通り、今年(2019年)9月27日に全国放送されたフジテレビ「ニッポンの超絶技巧!直美・千鳥のこまったときのお直しさん」でアイワード社の褪色カラー写真のデジタイズ復元が紹介されました。番組で取り上げられた褪色写真は60年前のスカルノ大統領とデヴィ夫人の写真で、放送された復元技術とそれに取り組む現場や技術開発の実際が奥山社長から語られました。
 カラー写真は光の当たっていないところで長年置いておくと全体が赤っぽく変化します。これは暗褪色と呼ばれるもので、イエロー色素とシアン色素の劣化によるものです。一方、明るいところに長年置いておくと全体が青っぽくなり、マゼンタ色素の劣化による明褪色となります。デヴィ夫人の写真ではこの両方の褪色が重なったもので、その復元は非常に困難だったとの事です。また、写真はガラス板の下にあって、ガラスに張り付いて剥がす事が困難だったため、ガラス越しの復元作業となりました。この場合、ガラスの影響を除く必要があります。
 復元作業は写真データをデジタル化して、ピクセルを相手の作業となります。ガラスの効果を軽減するフィルターを用い、ガラスの影響を除きました。復元作業の過程で現れて来たゴミのようなものも一つひとつ取り除いて行きます。褪色写真の色空間を測定し、カラー写真の色空間に近づけるようにピクセル事に計算により色情報の加減算を施して、復元を行っていきます。この時復元に用いる計算式は元の色情報が褪色により変化した基準が必要で、写真中の物体で色が特定できるものを探して、実際の色が褪色写真でどのように変化しているかを調べたりして行います。
 復元作業は気の遠くなるような作業の連続であると紹介されました。褪色写真の色空間をピクセル毎の色情報操作でより褪色以前の色空間に近づける作業を試行錯誤的に繰り返して行われました。最終的に復元されたデヴィ夫人の写真では、何も写っていないと思われたところにシャンデリアが写っていたり、椅子の色が金色でデヴィ夫人の衣服の透けた様子等が見事に再現されています。復元された若き頃のデヴィ夫人が美しかったのはいうまでもありません。
 アイワードの褪色カラー写真復元は東京大学総合研究博物館より同館収蔵の遺跡のカラー写真の復元の依頼から始まり、途中から北海道大学の研究者との共同研究が行われました。科学的根拠による新しい復元技術が開発され、研究成果は「多項式近似に基づく褪色カラーフィルムのデジタル画像復元」(2016年3月)として北海道大学の研究者とアイワードの関係者の連名の論文として電子情報通信学会の論文誌に発表されています。その成果もあり、美術品の写真の褪色復元の依頼もあり、国立博物館で美術品の資料を参考に復元作業を行ったお話もありました。
 聴講者からこの技術をもっと世の中に広めるシステムを考えては、といった指摘がありました。紹介された技術は現在のところ研究段階にあるとの事です。もっと簡易な復元技術に関しては、価格表も示された同社のサービスとして提供されています。同社で出版を行う際に持ち込まれた写真原稿を復元した例もあるそうです。因みに研究開発的なデヴィ夫人の写真の復元例の費用は20万円に設定したそうです。
 出席者は13名でした。
講義中の奥山氏A.jpg
(講義中の奥山氏)

ビジネスEXPO出展案内ハガキA.jpg
(ビジネスEXPO出展案内ハガキ)

10・24(その3)デヴィ夫人 復元されて 綺麗なりA.jpg
(講義風景:ここをクリックでパノラマ写真
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2019年10月03日

eSRU第14期第10講案内

eシルクロード大学(eSRU)第14期第10講案内
日時:2019年10月24日(木)18:00〜19:30
講師:潟Aイワード社長 奥山敏康氏 
演題:「アイワードのカラー写真復元技術〜フジテレビの「お直しさん」から〜」         場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:アイワードは学術・芸術の書籍を扱う印刷会社です。近年、色褪せたカラー写真が印刷原稿として入稿してくる場合があります。褪色したカラー写真を復元する技術は世界のどこにもないことからアイワードの自社開発がおこなわれています。その技術開発の経過から今回のテレビ番組取材で行った内容を紹介していただきます。なおテレビ番組については秘境100選のブログ記事(http://hikyou.sakura.ne.jp/v2/2019/09/928_11.html)にも載せてあります。
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2019年09月23日

eSRU第14期第9講

eシルクロード大学(eSRU)第14期第9講は、
2019年9月19日(木) 18:00〜19:30
講師に北海道科学大学教授三橋龍一先生をお迎えし、
「CFを契機に本格的にスタートした衛星プロジェクト」の演題で
お話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。

 最初に北科大の三橋教授からの自己紹介があり、旭岳と手稲山間での超微小電力無線通信実験に協力していただいた登山愛好家の名和田氏の簡単な紹介もありました。
 三橋教授は大学教授以外に「NPO法人 大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)」 理事と「NPO法人 北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC) 」理事として宇宙工学の研究と共に学生や企業の宇宙開発の支援活動を行っているとのことです。宇宙との関わりは1996年に宇宙科学研究所の所長を定年退官された秋葉鐐二郎先生が、北海道工業大学(現 北海道科学大学)の教授として着任し、その時に研究室が隣であったという縁から始まったとのことです。そのため、1996年4月に国から承認され開発が始まった「はやぶさ」の第一回設計会議などにも出席する機会もあり、宇宙開発の現場に興味を持ったそうです。
 1997年頃から大学や高専での宇宙開発を支援する組織の立ち上げに関わり、その組織が2003年にNPO法人として東京都から認められたUNISECで、2017年には国連のオブザーバーとして公式に承認されるに至ったそうです。2003年にCubeSatと呼ばれる10cm×10cm×10cmサイズの打ち上げと運用に東大と東工大が成功し、日大の衛星が2006年7月にロケットの打ち上げ失敗により、2006年9月に三橋教授が主要メンバーであった北海道キューブサット開発プロジェクトチームが開発した「HIT-SAT」がチームとしては世界で3番目の打ち上げ成功事例となりました。
 CubeSatという超小型衛星とはいえ、地球周回軌道上を飛行する本物の人工衛星であることから、HIT-SATの開発から運用までの苦労は多く、三橋教授には再び衛星を開発する気持ちは無かったそうです。しかし、顧問を務める「宇宙開発研究同好会」(HIT-SAT開発の学生たちが立ち上げた)が昨年度からUNISEC総会や活動報告会に積極的に参加するようになり(6名の学生が自己負担で会場であった東大などに行ったとのことです)、さらに昨年度に国際宇宙ステーション(ISS)から放出されたCubeSatの運用管制にかかわったことから再び人工衛星を開発することを三橋教授は漠然と考えていたそうです。そこに2019年3月16日に開催された「2019年北海道科学大学オープンキャンパス・大学プレゼンテーション」でユニークな研究活動をしている3名の教員のうちの1人として三橋教授が選ばれ、600人を超える高校生や保護者の前でプレゼンテーションを行い、学園設立の2024年までに再び道産衛星を打ち上げる活動を行っていることを公表する経緯が加わります。プレゼンテーションの内容は、入試課・広報課・外部委託業者と検討してまとめ内容であることからオープンキャンパスにふさわしいと判断されたそうです。
 衛星開発プロジェクトは学内と大学を志望する高校生らへは周知したものの、学外へも広報したいと考えていたところ、7月18日のeシルクロード大学(eSRU)で北海道新聞社が運営するクラウドファンディング(CF)「find H」に関する同社の惣田氏の講義を受講して、その場で三橋教授はCFを行う決心をしたとのことです。実際に僅か8日後にCFをスタートさせています。CFは学内では初めてのことであることから三橋教授は非常に苦労をしました。しかし、最終的に道新が運営するCFであるという信頼性から学内で公式にCFの実行を認められたそうです。CFの目的はお盆期間に秋田県で開催される「能代宇宙イベント」への参加を応援するものであることから、募集期間は2週間と短期であったため、目標金額を10万円と比較的少額に設定しましたが、最終的にはfind Hでは過去最高となる212%の支援達成率になり、学内外に対する広報目的で行ったことから考えると大成功でした。
 CF実行中に三橋教授の大学の先輩でもある中本氏に衛星開発の相談をしたところ、非常に興味を持ってもらえ、技術面と広報は全面的に、さらに打ち上げ資金の調達にも協力していただけることになったとのことです。HIT-SATの開発時の主要メンバーであった熱設計の専門家である北海道大学の戸谷教授と赤平市の植松電機の植松社長の了解が得られ、構体設計等のプロである安中氏も全面的に協力していただけることになったそうです。また、中本氏は自身の人的ネットワークの広さを活用して、衛星開発に必要なエンジニア等の協力を得ることにもすでに成功しているとのことです。JARLやJAMSATさらにはCQ出版も巻き込んだ大きなイベンを考えていると聞いています。
 開発する超小型衛星の主目的はSDR(ソフトウェアラジオと呼ばれるもの)を活用した超微小電力でのデータ伝送であるとのことで、9月4日に登山愛好家の名和田氏の全面協力を得て、旭岳山頂と手稲山間の約150kmの距離で最小1mWの通信実験を行い、当初の目標レベル以上の通信実験に成功したそうです。旭岳山頂での実験で登山協力者が必要であったのは、実験機材を三橋教授がリュックに入れて運ぶことと安全面のサポートをしていただくためであったとのことです。衛星プロジェクトが広く認識された際には、この通信実験から始まったことを広報材料にすることが主目的の実験であったそうです。
 最後に、衛星プロジェクトの進行状況についての話がありました。衛星はISSから1UサイズのCubeSatを放出するもので、J-SSODと呼ばれるISSの日本実験棟「きぼう」から放出する方式で行うとのことです。その事業の認定をうけているSpace BD社と9月11日に第一回目の打ち合わせを北科大内で行い、衛星の目的・放出までの過程や費用の概要がまとまったとのことです。現在のところ、2020年度の打ち上げを予定しているそうです。北海道内では、大樹町のmomoロケットの打ち上げなど宇宙開発の盛り上がりがみられるものの、一般の人にはなかなか興味を持ってもらえないことも現実です。そこで、ロケットと衛星の両方を道内で行うことにより北海道を日本の宇宙産業の中心としたいとのことで活動を行っていると三橋教授のお話でした。

出席者は8名でした。
講演中の三橋教授A.jpg
(講義中の三橋教授)

UNISECへの参加A.jpg
(UNISECへの参加の様子)

通信実験のスライドA.jpg
(旭岳―手稲山間超微小電力通信実験)

9・19(その4)衛星の 打ち上げ目指す 努力かなA.jpg
(講義風景:ここをクリックするとパノラマ写真
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