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2016年02月24日

第11期第2講

eシルクロード大学(eSRU)第11期第2講は
2016年2月18日(木)18:00〜19:30
講師に札幌市円山動物園飼育員本田直也氏をお迎えして
「動物園とは」の演題で講義を行っていただきました。
場所はいつものユビキタス協創広場 U-calaでした。

 本田直也氏は円山動物園でカリスマ飼育員と呼ばれている、知る人ぞ知る人物です。1976年生まれということで、今年で40歳です。円山動物園の飼育展示課に所属しており、専門分野は爬虫類、両生類、猛禽類です。諏訪流の鷹匠でもあり、園内の仕事や野外での趣味として鷹狩のデモと訓練を行っています。博物館のように動物園にも学芸員がいて、学芸員の資格を持って仕事をしています。以下本田氏の講義のスライドを参考に講義の内容の紹介です。
 動物園は世界にどのくらいあるか国別で並べると(2007年現在)、1位アメリカ209ヶ所、2位日本162ヶ所、3位ドイツ131ヶ所、以下フランス83ヶ所、イギリス75ヶ所だそうです。日本にある動物園の数が2番目に多いとは意外です。
 動物園の役割として挙げられるのは環境教育、種の保存、動物に関わる調査研究にレクリエーションが加わります。一般の人は、動物園は行楽地を連想して考えるのが大多数で、環境教育や種の保存と動物園を重ねて考えることは少ないと思われます。
 そもそも動物園の歴史は植民地と密接に関わっていて、近代動物園の発祥の地がロンドンであるのはその証左です。植民地から珍しい動物を集めてきて、動物の居る国の環境を調べることから始まっています。動物園は動物や環境に関する学問とともに発展してきています。
 これに対して、日本の動物園は1830年福沢諭吉が「西洋事情」で初めて国内に紹介し、上野博物館の付属施設として上野動物園が設置されました。娯楽施設の側面が大きく、学問や教育と結びつかないまま発展してきました。昨今マスコミにも取り上げられる事が多い動物園は、やはり行楽地や娯楽の側面が強調されています。
 欧米の動物園は法律(動物園法、免許制度)できつく縛られているのに対して、日本の場合には博物館に準ずるものとして、動物愛護法のしばりぐらいで、自治体の贅沢機関程度の地位にあります。「何とかサハリ」のように動物を集めた商業施設ができて、娯楽施設そのもので動物園の理念が無い施設もあります。動物園の発展には、外部の支援と外圧が必要との紹介がありました。
 予算面でも欧米と日本では大きな差があります。ニューヨークの野生動物保護協会の予算は140億円、ロンドン動物学教会で70億円、これに対して東京動物園協会50億円前後、円山動物園に至っては5億円前後です。日本の動物園はこの乏しい財源と乏しい人材、倫理や哲学のない運営、飼育係は何でも屋とならざるを得ないのが現状です。
 しかし、法律、外圧がない中で独自性を発揮できる事もあり、熱意のある飼育員の取り組み次第では可能性が広がります。本田氏のようにヨウスコウワニの世界初の繁殖成功から始まって、世界的にみて希少爬虫類・両生類の繁殖をトライする例もあります。
 欧米の動物園では西洋的自然観や生命観が動物園に反映されているとの事です。怪我や病気になった動物を客の前で殺し、そのまま肉食動物の餌にするスライドの紹介がありましたが、日本では有り得ない(客に見せる事はない)やり方です。これは死ぬ権利や安楽死を許容する考えにも投影されて来る考え方です。
 他方日本的自然観や生命観はあるがままの自然や命を全体として受け入れるので、動物を研究の対象と見るよりは情緒的な面が前面に出てくるとの事です。
 「環境エンリッチメント」という耳慣れない用語の紹介もありました。これは動物福祉の立場から、飼育動物の幸福な暮らしを実現するための具体的は方策ということで、動物園での実例を引用しながら、現状と課題が紹介されていました。
 日本の動物園のあるべき姿についても本田氏の考えが紹介されていました。日本の里山型自然保護の継承をベースにして、日本独自の動物園スタイルを確立していきたいとの抱負の披露もありました。
最後にマハトマがンジーの言葉「国の偉大さと道徳的発展は、その国における動物の扱い方で判る」が紹介されていました。ペットブームで高額の犬猫が売買される一方で、多くの犬猫を引き取るペット愛好家が現れず、保健所行き(死ぬ運命)になる日本の現状をガンジーの言葉と重ねると、考えさせられるものがあります。

出席者は7名でした。 

講義中の本田氏A.jpg
(講義中の本田氏)

講義風景A.jpg
(講義風景)

2・18(その3)カリスマの 薀蓄(うんちく)語り 飼育員A.jpg
講義風景のパノラマ写真
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2016年02月03日

eSRU第11期第2講案内

eシルクロード大学(eSRU)第11期第2講案内です。

日時:2016年2月18日(木)18:00〜19:30
講師:円山動物園飼育員 本田直也氏
演題:「動物園とは」
場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   北海道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   https://www.uchida.co.jp/company/showroom/u-cala.html
内容:西洋と東洋の動物園の様々な面での比較、例えば国民の
   自然観や生命観、自然保護の考え方、飼育法を通して
   東西それぞれの国においての動物園の役割や位置づけを
   飼育員としての経験からの紹介と解説を予定しています。
posted by esre at 16:41| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2016年02月01日

eSRU第11期第1講

eシルクロード大学(eSRU)第11期第1講は
2016年1月21日(木)18:00〜20:00
講師にサイレントシステム社長中本伸一氏をお迎えして
「だれにでもわかるIT犯罪の手口!と悪徳商法」の演題で
講義を行っていただきました。
場所はいつものユビキタス協創広場 U-calaでした。

 ネットソムリエの称号に値する中本氏のお話は多岐にわたるものでした。マルウェアと呼ばれるウィルス、ワーム、スパイウェア、携帯やスマホの料金に関するMNPやMVNO、ネットバンキングの危険性、例えば別ページへの誘導と個人情報抜き取りや振り込み詐欺、ウィルス感染後のキーストローク記録によるログイン名やパスワードの漏えい、自分のPCが知らないうちに踏み台にされアタック攻撃の加害者に仕立てられること、自分のPCにバックドアが作られてしまうと他からの操作を防ぎ切れない、PCのセキュリティホールを埋める前に蒙る0 day attack、ワクチンは万能ではない、等々のネットに接続したPC利用における危険性の例の解説がありました。

 当然これらの危険に対処する対応策の紹介もありました。ウィルス対策をしっかり行ってくれ、セキュリティがしっかりしたメールシステムやアプリを利用すること、例えばメールならグーグルのG-mailやクラウドでのExcel利用などが推奨されていました。

 自分のメールアドレスがどのようなルートからネット利用業者に漏れているかのチェックに「+連番」を用いる方法があると教えていただきました。これはnakamoto+123@gmail.comのアドレスでメールを送ると「+123」の部分が隠されたアドレスが相手に届き、後で自分宛てに届いたメールに埋め込まれた「+123」を割り出すことで最初どこに送ったメールアドレスかを炙り出す方法です。メールでこういった芸当ができるとは知りませんでした。

 インターネットネットバンキング等の利用なら普段と少しでも異なった状況が現れれば注意すること、アプリをダウンロードしないスマホは安全性が高く、ワンタイムパスワードの利用やバーチャルカードの利用なども安全性は高いとのことです。具体的には三井住友のバーチャルカードを例に挙げていました。アマゾンのギフト券は購入物品金額分をコンビニで購入して、ギフト券の番号をネットでアマゾンに知らせるだけで支払いが済むので、これも安全性が高い方法です。

 TVのネットショッピングで安売りがあっても、広告費はどこかで消費者に回ってきているので安い買い物ではない、ネットでの割の良い仕事の勧誘、キャッシュバック販売、等々は結局は高上りになる点に注意すること、ネットと店頭の値段を比較する場合には「価格.com」等を参考にすると良い、などの指南がありました。
 中本氏が実際に利用しているガラケー携帯とスマホの組み合わせでMVNO方式を採用して通話料金を大幅に下げることが出来ているそうですが、普通の利用者がそこまで到達するのは難しそうです。いままでの携帯等で利用していたメールアドレス等の「断捨離」が決断できるかどうかもあるそうです。

 実生活がメール文化に汚染されている指摘もありました。LINEなどの利用で、即座に応答せねば仲間から疎外されると感じている若者は四六時中メールを気にすることになり、生活する上でメールというシステムが便利さ以上に生活の質を落としている指摘は的を射たものです。メールは業務連絡のようなものに限定し、人とのコミュニケーションは極力音声で行うようにするのも、メール文化による汚染拡大を防ぐ方法との指摘もありました。

 出席者は9名でした。

講義内容のスライドと中本氏A.jpg
(講義内容のスライドと中本氏)

11期1講目講義風景A.jpg
(講義風景)

2130・パノラマWeSRU中本君A.jpg
講義風景のパノラマ写真
posted by esre at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学