...

2017年05月23日

eSRU第12期第6講案内

eシルクロード大学(eSRU)第12期第6講案内です。

日時:2017年6月15日(木)18:00〜19:30
講師:ルチア学習塾長・社会福祉士 間島幸雄氏
演題:「子ども食堂1年間の取り組み」
場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   北海道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:わが国は先進国の中でも貧困状態にある子供が多いと云われてます。
   片親の所帯では50.8%に達しているとも言われてます。
   そのような状況の中、経済的理由で家で十分な食事をとれない子供に
   温かい食事を与え学習指導を行っている間島氏に実際の活動を語って
   いただきます。
posted by esre at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2017年05月20日

eSRU第12期第5講(特別講義)

 eシルクロード大学(eSRU)第12期第5講は特別講義ということで
いつもの例会とは異なり、木曜日を水曜日に、夕刻の例会を午前中に
した下記の日時で行いました。
2017年5月17(水)10:30〜12:00
講師には(株)テイ・エム社長田村麻由美氏をお迎えして
「グリーフケアの現場から」の演題でお話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。
 田村氏には昨年(2016年)11月17日に「葬送の現場から」のテーマで講義を行っていただいています。しかし、この時の参加者が4名で、折角の、普通には聴くことのできない内容のある講義であったため、機会を改めて講義していただく事を考えていました。今回それが実現して、30名もの聴講者が参加した講演会となりました。
 講義内容は前回とほぼ同じなので、eSRU第11期第11講の報告をご覧ください。今回もお願いして、復元死化粧のデモを短時間で行っていただき、参加者に強い印象を与えています。中には、以前このような仕事に就くことを考えていて、改めて検討してみる気になった、といった感想も耳にしました。
 最後に(株)テイ・エム社制作のエンディング・ノートも配られ、残される家族にとって、故人の意志が記されたものがあると非常に助かる場合があるとのお話を聴いた後では、講義後にエンディング・ノートに書き込む方も居られたのではないかと思っています。

講演中の田村氏A.jpg
(講演中の田村麻由美氏)

5・18(その3 )様々な 感情込めて 講義聴くA.jpg
(講演風景:ここをクリックするとパノラマ写真になります)

エンディングノートA.jpg
(配られたエンディング・ノート)
posted by esre at 11:02| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2017年05月08日

eSRU第12期第5講(特別講義)案内

eシルクロード大学(eSRU)第12期第5講(特別講義)案内です。

日時:2017年5月17日(水)10:30〜11:45
講師:(株)ティ・エム社長 田村麻由美氏
演題:「グリーフケアの現場から」
場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   北海道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:
 毎月第三木曜日に行っているeシルクロード大学(eSRU)
の5月の例会は5月のみ5月17日(水)10:30〜11:45
の特別講義にします。(従いまして定例の5月18日(木)は
講義はありません)会場への入場は当日10:00からです。
 田村氏には昨年の11月17日(木)に講義を
行っていただいていますが、出席者が4名と
少なく、内容のあるお話でしたので、今回
より多くの聴講者に参加していただき再度お話を
伺う事にしました。今回は30名ほどの方々に
集まってもらおと準備を進めています。いつもの
勉強会と同じく、どなたでも無料で参加できます。
 なお、前回の講義につきましては第11期第11講の
報告記事として載せてあります。
posted by esre at 06:39| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2017年04月25日

eSRU第12期第4講

 eシルクロード大学(eSRU)第12期第4講は
2017年4月20(木)18:00〜19:30
講師に(株)メディア・マジック社長の里見英樹氏と本部長の
堀川敦史氏をお迎えして、「バスロケーションシステムの取り組み」
の演題でお話を伺いました。場所はいつものユビキタス協創広場
U-calaでした。
 里見氏からはメディア・マジックの主要事業の紹介がありました。同社はスマートフォン及びフィーチャーフォンに関わるビジネスやコンテンツサービスの企画・制作・運用・保守を行っています。同社の設立は1996年で設立20周年を迎えています。現在設立20周年の記念品を制作中で、間に合えばeSRUの出席者に配る予定だったのが、間に合わなかったので、後で配布希望を申し出るともらえるとのことでした。
 同社は2001年からモバイルサイトの開発・運営に携わっており、「エバンゲリオン」のブランド力を利用したコンテンツを多く制作しています。現在まで運営に携わるサイトは70、ユーザー数は50万人に上るとの事です。
 「ケータイスタジオ」というモバイルサイト制作に特化した、同社独自の開発ツールを世に出しています。これはスマホ等でのアプリの初期開発時と運用時のランニングコストの削減を目的としており、使用に関しては高い技術レベルを必要としないものです。開発言語はPHPです。
 同社は自社コンテンツ事業としてスマホのゲームも手掛けています。しかし、ゲーム開発には、最初資金を注ぎ込まねばならず、事前にどんなゲームがヒットするのかがわからない難しさがあるとの事です。千種類のゲームを開発して、50種類が元を取れるかどうかの世界だそうです。あるゲームで1万本が売れたとしても、失敗の部類に入るとの話でした。資金を投入しても失敗する例も多い中で、失敗例と同じような内容のゲームでも、装いやキャラクターを変えることでヒットする例もあると「パズ松さん」の実例が紹介されました。その他観光協会とタイアップで、スマホでの観光・宣伝サイトなどの開発を行っています。
 バスロケーションシステムは同社の堀川敦史本部長から紹介がありました。「バスキタ」と命名され開発されたバスロケーションシステムは、スマホやタブレット利用で従来の専用システムより安価に行えるシステムです。これからバス会社や地方自治体と連携してサービスを展開していこうとしています。北海道のような積雪・寒冷地ではバスが遅れる事も多く、バスを待つ客も何時バスがバス停に到着するか、自分のスマホやタブレットでチェックできると有難いサービスになります。バス会社にとっても、通常運行から遅れた場合の対応や常時のバス運行のデータ収集等でメリットのあるシステムです。
 現在バスキタを実用に供しているのは旭川市です。バス停近くの商業施設等でバス運行の状況がパネルに表示されると、客がバスの時刻を見ながら買い物ができ、客の購買を増加させ、バス会社と商業施設の両方にメリットをもたらす効果が期待できます。旭川市でのバスキタ利用客のアンケート調査も行われており、その紹介がありました。今後JR鉄道がバスに切り替わっていく趨勢の中で、いかに便利なサービスにつなげるかの検証も行われています。
 札幌市でも西区で実証実験が行われている最中で、西区のバス路線を利用している筆者は早速バスキタのシステムを自分のスマホにインストールしてもらいました。時刻表をいちいち確かめる必要もなく重宝しています。
 最後に、事前の筆者の希望もあり、アマチュア無線が趣味の里見氏の所有している巨大なアンテナが林立する基地でドローンの飛行練習ができるかどうかについてのお話となりました。駒岡にある基地の写真を見せてもらいながら里見氏から状況の説明がありました。里見氏も折りたためるドローンを所有しているとの事でしたので、一度1万坪あるというアンテナ基地でドローンを飛行させてみたいと思っています。
 いつもの倍くらいの出席者となり13名でした。

4・20(その2)ゲームから バスロケシステム 多彩なりA.jpg
(講演中の里見氏:パノラマ写真

eSRU講義風景(里見氏)A.jpg
(講義風景)

メディア・マジック社開発ゲームA.jpg
(メディア・マジック社開発ゲーム)

講演中のメディア・マジック堀川敦史本部長A.jpg
講演中の堀川氏:パノラマ写真

バスキタ旭川市の運用例A.jpg
(旭川市で運用中のバスキタ・システム)

バスキタ札幌市西区での実証実験A.jpg
(札幌市西区でのバスキタ実証実験)
posted by esre at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2017年03月29日

eSRU第12期第4講案内

eシルクロード大学(eSRU)第12期第4講案内です。

日時:2017年4月20日(木)18:00〜19:30
講師:(株)メディア・マジック社長 里見英樹氏
演題:「バスロケーションシステムの取り組み」
場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   北海道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:「従来のバスロケーションシステムでは、専用機器を利用した
   高価なサービスが提供されていましたが、メディア・マジック社の
   バスローケーションシステムは、市販のスマートフォン・タブレット
   端末使用していることと、咋魂の通信回線の低価格化により、安価な
   車両案内システムの提供が可能です。また、寒冷地での実証実験
   実績もあり、北海道をはじめとした寒冷地での運用にも耐えうる
   システムとなっています(メディア・マジック社HPより)」の
   バスローケーションの研究開発から実践までの道のりの紹介の
   講義となります。
posted by esre at 09:22| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2017年03月22日

eSRU第12期第3講

 eシルクロード大学(eSRU)第12期第3講は
2017年3月16(木)18:00〜19:30
講師に札幌啓成高校教諭佐々木四郎先生を
お迎えして、「ビットコインとは」の演題で
お話を伺いました。場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。

 佐々木先生は高校では国語を教えている傍ら、ビットコインを始めとする仮想通貨に興味を持ち、この方面でのこれまでの経験を基にしてのお話でした。講義は次の項目に添った話で進行しました。
1. ビットコインとは
2. ビットコインが変える未来
3. ビットコインは儲かるのか
4. ビットコインの買い方売り方
5. 北海道でビットコインは将来どんな風に使 われるのか。

 最初にビットコインとは何か?という事で、動画を使っての説明となりました。しかし、新しい概念なので、一度聞くだけでは理解し難いものでした。
 一般的にビットコイン等は「仮想通貨」と呼ばれていますが、「暗号通貨」と云うのがより近い概念の様です。国家が発行し統制し保証すると云う通常の法定通貨の概念に「暗号通貨」は当てはまりません。
 名前の付いた暗号通貨は、現在世界では数百種類も存在しますが、主な暗号通貨は十数種類で、ビットコイン、イーサリアム、リップル等々があります。それらの中で最もメジャーなのがビットコインです。
 通貨と聞くと、お札やコインの形をしていて実体が在るよう考えがちですが、ビットコイン等の仮想通貨は、単なるコンピュータのデータです。
 2008年11月にナカモト・サトシと名乗る謎の人物が発表した理論に基づいて、世界中のコンピィータ技術者が「ブロックチェーン」と云うシステムを構築して来ました。これはネットワークでつながった分散型システムで、インターネットの利用でデータの書き換えが困難なシステムです。
 今までは、インターネットとは「情報」を送受信するシステムでした。ビットコインとは、インターネットで相互に監視し、保証し合っている「価値」を送受信できるシステムとも理解できます。その基礎と成る技術が「ブロックチェーン」というデータ消滅や改ざんに強い暗号化ネットワークシステムです。
 これまでの銀行等の帳簿の管理には、高価で巨大コンピュータを特定の集団よって維持管理をしてきました。そのために莫大な費用がかかります。これに対してビットコインのシステムはP2P(Peer to Peer)技術や公開暗号鍵技術を用いて実現されているので、特定の管理者も必要なく、ネットに接続され世界に分散されているマイナーと呼ばれるメンバーが貢献して運営しています。
 まとめると、@ビットコインは管理者もいないが銀行のようにインターネット上で「価値」のやり取りができる。A公開鍵暗号やブロックチェーンの仕組みで帳簿に改ざんや盗難ができない仕組みとなっている。Bマイナーと云うブロックチェーンの運営に協力した人は手数料からの報酬を貰える、といった事になります。

 ビットコインが変える未来については、ビットコインをネット上の決済手数料の少ない通貨と考えると、各種の支払い等に使うメリットは大です。現状で最も期待されているのが海外への送金です。日本円をビットコインに換えて送金すると、今までに比べてマイナーに支払う少額の手数料のみで「早く・安く」送金できます。
 現在、東京を中心にビットコインが使える実店舗は数千店、今後は数万店に増える見込みの様です。カード決済の数%の手数料に比べて、お店側が負担するビットコイン決済手数料は1%程度なので、お店側には歓迎されます。ネット通販の決済手段としては最も便利で、手数料も少額ですむので普及するでしょう。
 ビットコインのようなパブリックブロックチェーンでなく、小規模のプラーべートブロックチェーンを低予算で構築して、地域限定の「〇〇村コイン」等で地域活性化、町おこし等をする事も考えられます。
 現時点で、金融関係企業や保険業界が金融機関同士の取引にブロックチェーンの技術を使って、経費削減、決済スピード等の合理化を計画し始めたようです。

 「ビットコインは儲かるのか」が今回の勉強会参加者の最も知りたい事ではなかったのではないでしょうか。ビットコインを「株」に置き換えて考えると、確実に儲けられるのは、胴元の証券会社です。ビットコイン取引所等が儲かりそうなのは明白です。しかし一般人がこれからビットコイン取引所を運営するのは難しいでしょう。ビットコインを投機や投資の対象として考えるのなら、現状は魅力があるようです。 
 ビットコインは、ブロックチェーンや公暗号開鍵技術で構築された「ネット上の価値」です。ビットコイン発足当時(2009年頃)には日本円換算で1BTC=10円程度でした。それが現在では1BTC=130000円程度まで価値が値上がりしています。昨年末のビットコイン発行量は約13,000,000BTCともいわれています。日本円に変換すると・・・・13,000,000,000,000円です!
 買いたい人が多ければ値上がりし、売りたい人が多ければ値下がりするのは当然です。その過程で世界の様々な要因でビットコインの価値は乱高下します。昨年末からトランプ氏が大統領になったり、中国の通貨当局が規制を強めたりして、ビットコインの価値が5割も上昇後、寸時で元に戻ったりしました。そういう意味で価格の変動が激しいので、ビットコイン相場の未来が見える特殊能力のある人は儲ける事ができるでしょう。

 今回の勉強会で、「ビットコインのシステムは破綻しないのか?」と質問がありました。
 破綻する要因は数多考えられます。でも、世界中に分散化したP2P技術、ブロックチェーンを使ったシステムは超堅牢で地球規模の災害が起こらない限り理論的に壊れる事はない!と言われています。しかし、システムは壊れなくても、世界中の人がビットコインの価値を認めなくなったら、これは破綻と云う結果になるでしょう。
 このビットコインのシステムのシステムは今後も継続するのか?との疑問もあります。考え方として、ビットコインのシステムが2009年以来8年間も継続しているので、今後も大丈夫と云う考えと、たったの8年では信用できないと云う考えがあるようです。それぞれの考えがあるものです。

 ビットコインの買い方売り方についての解説がありました。一般的にはネット上のビットコイン取引所の会員に登録して、ビットコイン取引所の指定銀行に入金し相場の価格でビットコインを買います。売る時もビットコインはその時の相場の価格で日本円に換算されビットコイン取引所指定の銀行に日本円で入金されます。ウオレットと云う電子お財布アプリをスマホにインストールしてビットコインを所有している人から直接売買する事もできます。

 北海道でビットコインは将来どんな風に使 われるのかの紹介がありました。考えられるのは、NHKの番組のホームページ(http://www.nhk.or.jp/fukayomi/maru/2016/161029.html)で北海道大学の西部教授が述べているように北海道限定仮想通貨「Do(仮称)」の地域通貨としての活用などがあります。

 今後ビットコイン等暗号通貨とどう付き合うか?レポート作成者の立場からまとめてみました。
1.よくわからないモノには付き合わない。
2.ちょっとだけ購入し体験し勉強をしてみる。
3.そこそこ購入し、お小遣いを増やす(減らす)。
4.全財産を使って大儲け(大損)を企てる。
といったところでしょうか。

 お金に関する講義でもあったせいか、今回の参加者は16名といつもの回の2倍でした。

パソコンでデモ中の佐々木氏A.jpg
(講義中の佐々木先生)

12期3講講義風景A.jpg
(講義風景)

3・16(その4)ビットコイン 消化不良の 理解なりA.jpg
(講義風景・パノラマ写真
posted by esre at 05:32| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2017年02月20日

eSRU第12期第3講案内

eシルクロード大学(eSRU)第12期第3講案内です。

日時:2017年3月16日(木)18:00〜19:30
講師:札幌啓成高校教諭 佐々木四郎氏
演題:「ビットコインとは」
場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   北海道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
1. ビットコインとは
2. ビットコインが変える未来
3. ビットコインは儲かるのか
4. ビットコインの買い方売り方
5. 北海道でビットコインは将来どんな風に使 われるのか。
posted by esre at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2017年02月18日

eSRU第12期第2講

 eシルクロード大学(eSRU)第12期第2講は
2017年2月16(木)18:00〜19:30
講師に北大情報科学研究科メディアネットワーク専攻教授
荒木健治氏をお迎えして、「心を交わす人工知能」の演題で
お話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。
 荒木先生は1988年北大電子工学科博士課程を修了後、北海学園の助手、教授を経て北大情報科学専攻科の助教授、1998年に同教授となり現在に至っています。研究分野は自然言語処理、人工知能で、今回のeSRUでの講義はこの方面の先生の研究成果を織り交ぜたお話でした。
 講義テーマは先生の近著「心を交わす人工知能」(森北出版、2016年)で共著者にジェプカ・ラファウ、プタシンスキ・ミハウ、ディパワ・パヴェウ氏らが名前を連ねています。余談で、筆者は森北出版から「波動信号処理」(1986年)を上梓しています。
 自分とは異なる分野専門書を1冊読み通すのは時間のかかる事ですが、著者にその専門書の大まかな内容を聞くと、飛ばし読みにした知識が得られます。話の後で件の本を読み通すと、内容が頭に残ります。耳学問と精読を組み合わせることが出来、科学や工学の分野を理解していくのは、先生の講義と著書を読む機会を得て、効率が良い勉強法だと感じました。
 現在「人工知能」の言葉は色々なメディアに頻繁に登場します。現在は人工知能の第3次ブームの到来と言われています。ということは第1次、第2次のブームもあった訳で、先のブームは短期間で終息しています。ただ、前回までのブームで出現した概念の根本的なところは、現在のブームにも引き継がれています。
 その代表例が、最近話題のグーグルのアルファ碁のソフトが人間のトップ棋士でも勝てなくなるまで進化した例です。このソフトは「デープラーニング」と呼ばれていますが、その基本は前回のブームで提唱されたニューラルネットワークが3層までしか実現できなかったのを、さらに深い(デープ)層まで構築してパターンマッチングを行っています。人間の脳細胞のシナプス構造を機械(コンピュータ)で実現しようという考え方が変わったのではなく、コンピュータの処理スピードが速まって、深い層の処理を実現することが出来た事で、ある狭い領域で人間の知能を上回ったということです。
 囲碁(将棋でもチェスでも)というゲームの世界で、コンピュータが人間を上回った事に衝撃が走っています。しかし、自動車が出来て人間より早く走れる機械と、同じトラックで競争して人間が負けたと落胆する話は聞きません。もう、囲碁の世界で人間とコンピュータを競わせるような事は、人間と自動車の速度競走みたいなもので、人間とコンピュータの勝負というものは廃れていくと思われます(筆者の感想)。
 さて、人工知能の研究者にとっての気がかりは現在のブームが続くかどうかです(続いてほしいのは当然です)。荒木先生の見解では、このブームが続くキーワードは「心」にあるだろうとの事です。前掲著書の標題にある「心を交わす」人工知能です。普段何気なく使っている「心」という言葉は、コンピュータにそれを植え付けようと改めて考えると、その実態が何であるか分からなくなります。心を研究するのはコンピュータ科学でなくても、哲学、医学、法律、心理、認知科学、宗教その他諸々の分野で行われています。しかし、科学や工学では漠然と「心」を論じていても研究は先に進まず、そのとっかかりを探します。
 荒木先生のこのとっかかりは「言語」、「感情」、「倫理」、「ユーモア」、「常識」となります。どの項目も日常生活で普通に使っている人間の知能に関するものですが、いざコンピュータを目の前にして話を進めるとどれも厄介なテーマです。厄介だから研究のし甲斐があるももいえますが…
 「言語」はこれがあるので(使うので)人間である事を証明する強力なものです。人工知能が人間並みになるには言語能力を学習で獲得する必要があります。しかし、人間の幼児がどのようにして言語を獲得していくかは良くわかっていません。分かっていないものはコンピュータでシミュレーションもできない。人間の言語獲得についてもっと研究を進めて、コンピュータが自発的に言語を獲得していくようになれば、人間のパートナーとなる人工知能も期待できます。講義では従来の会話処理のシステムはつまらなくて、3回も応答を繰り返せば(人間の方が)飽きてきて、さらにコンピュータを相手に会話するのは苦痛になる、といった紹介もありました。
 現在行われている言語処理は、既にある言語(文献)の膨大なデータ(ビッグデータ)を高速に処理する事で、新しい研究分野を拡大しています。WEBには日々刻々と書き込みがあります。これらをネットワーク技術で検索することが可能になってきています。倫理をコンピュータに教え込む段で、多くの人が支持している考えをWEBから抽出してくる方法も可能性の一つとしてあります。
 荒木先生はデモとして、会場から先生の研究室のサーバーにアクセスして、キーワードを入力し、その時点でのWEBの文章をかき集めて多くの人の考え方の統計を表示して見せてくれました。例えば「不倫」と入力して、それが道徳的かどうかを抽出した例では、半数以上は道徳的であるとの結果です。これは普通に考えられている結果から大きく外れます。WEBに書き込まれた文章を、フィルターをかけずに取り込んでくるとこのような結果にもなり、WEBでの大多数の意見から「倫理」の基準を見つけるのは難点がある例です。
 ともかく自我に目覚めるような人工知能が出現しそうになる前に、倫理をコンピュータに埋め込む必要性は言を待ちません。荒木先生の講義では、人類を超える知性体として宇宙人と進化した人工知能が考えられ、宇宙人については「倫理」云々といっても致し方ないけれど、これから人類が進化させていく人工知能は未発達(幼児)の段階で倫理を教え込む可能性があるので救われ、そうすべきである、とのお話でした。ただ、倫理といっても単純なものではなく、アシモフの単純な「ロボット三原則」を例に、困った事態を引き起こす例の説明がありました。
 「感情」というテーマも掴みどころがありません。「喜怒哀楽」で簡単に片づけている感情も、カテゴリー分けにすればさらに多くの感情があります。国や文化の相違で感情は異なるものか、人間以外の動物にも感情はあるのか、「感情」と「理性」は別物のように扱われているけれど、果たしてそうなのか、等々と感情を持たせた人工知能実現には感情そのものの研究が必要です。対話型人工知能が人間と同様、対話を続けたくなるには感情がなければならない、というのはその通りであると思われます。倫理も感情があってこそ意味のあるもので、心の根っこには感情が巣くっています。「心」=「情」の等式が成立する状況も多々あり、これからの人工知能には「情(なさけ)」が必要です。人間と対戦する碁の人工知能が、相手棋士が人類の名誉を一身に背負って戦っているのなら、ここでは負けてやろうか、なんて考えたら立派なもので、人間に近づいた人工知能です(筆者の考え)。
 「ユーモア」と人工知能の関連では、荒木先生の研究室ではユーモアを作り出すシステムの研究を行っています。WEBから検索語で拾ってきた単語を組み合わせて駄洒落を作ったり、コントを作ったりします。荒木先生がNHK番組に出演して、コンピュータと人間のユーモア作者とユーモアで対戦した時の紹介もありました。この時困ったのは放送の禁止用語で、WEBには下ネタが溢れていて、そこから拾ってコント等を作成すると、面白いものは出来ても、放送禁止用語のフィルターで除かれて、面白いものが捨てられてしまうということです。
 「常識」を人工知能用に扱うほど「非常識」なことはないようです。先生の著作にも紹介されている例で、「次郎の兄は太郎です」、「太郎の兄は次郎です」の二つの文章を人工知能に与えたら、人工知能は混乱するかと思っていたら、「太郎、次郎、太郎」の三人兄弟だと理解したそうです。兄弟間では同じ名前をつけないという人間の常識が、人工知能では働かなかった事になり、人工知能を前にした人間の常識の盲点です。
 人工知能の意識と自我の問題になるともう哲学の領域です。でも、いずれ(今でも)人工知能は自我に目覚めるのか、という問題は研究されています。2045年には人工知能が人間の知能を超えるだろうという「シンギュラリティ」の問題もあります。個人的に言えば、筆者はこの「2045年問題」を目の当たりにすることはないでしょう。
 今回の講義を聞いて、前掲の荒木先生の著書を一読すれば、人工知能の研究の現状と抱えている問題を垣間見ることができ、この分野では門外漢にも読める内容なので、購読をお勧めします。
 出席者は13名でした。



2・16(その2)心持つ 人工知能 謎多しA.jpg

(講義中の荒木先生:画像「クリックでパノラマ写真)

荒木先生と講義風景A.jpg
(講義風景)

心を交わす人工知能A.jpg
(心を交わす人工知能)
posted by esre at 11:26| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2017年02月06日

eSRU第12期第2講案内

eシルクロード大学(eSRU)第12期第2講案内です。

日時:2017年2月16日(木)18:00〜19:30
講師:北大情報科学研究科メディアネットワーク専攻教授 荒木健治氏
演題:「心を交わす人工知能」
場所:ユビキタス協創広場 U-cala
   北海道札幌市中央区北1条東4丁目1-1
   サッポロファクトリー1条館1階
   http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:
 2016年に出版された荒木教授の共著に書かれている内容を引用して、人工知能の入門的講義になります。同書の帯にある「言葉を覚え、感情を理解し、善悪を判断し、ユーモアを交えながら、常識を踏まえて人間とコミュニケートする人工知能。そんな未来のAI技術に向けて、いま研究はどこまで来ているのか。」について語っていただきます。
posted by esre at 18:29| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学

2017年01月23日

eSRU第12期第1講

 eシルクロード大学(eSRU)第12期第1講は
2017年1月19日(木)18:00〜19:30
講師に奈良大学3年生松尾誠之氏をお迎えして、
「北前船の運んだもの」の演題でお話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。
 松尾氏は昭和26年名古屋市に生まれ、ホクレン並びに(一社)ジェネティクス北海道勤務を経て平成28年6月退職、10月から奈良大学文化財歴史学科に編入学して通信教育で学んでいます。
 今回の演題にある北前船はホクレン函館勤務時代に 函館基盤開発の恩人高田屋嘉平衛に出会ったことから興味をもって以降10年以上の付き合いになるとのこと。きっかけは宝来町にある大きな銅像と司馬遼太郎の小説「菜の花の沖」が原点にあるそうです。でも恩があった割にはどうも函館の人は嘉平衛の業績に冷淡だといいます。
 江戸時代から明治初頭まで日本の物流を支えた大動脈・北前船は北海道と大阪を結ぶ西廻り航路が主体で 最大の特徴は運賃を貰って品を運ぶ賃積み船と異なり船頭の采配で何を積んでどこで下すかが決まる買い積み船だという点が性格を表しています。
 すなわち国内のあらゆる商品の需給状況が頭に入っていて、日本海沿岸の港毎に信頼を置いてくれる人々のネットワークが形成された近江商人に始まる商人道「売って喜び買って喜ぶ」のスタンスです。
 北海道からはコンブ・数の子・ニシン粕等が送り出されました。これらを積むために春先に大阪を出港した船は沿岸各地を寄りながら 最終は蝦夷地で米・酒など生活必需品を下して その賑わいぶりは「江差の5月は江戸にもない」と言われた位です。
 北前船寄港地で印象に残ったのは 佐渡島の小木港に隣接する集落・宿根木(しゅくねぎ)だといいます。千石積の本船を実物大に復元展示しているので大きさを体感してきたそうです。加えてここには今でも太鼓芸能集団「鼓童」の本拠地があってクライアントに求められると全世界を股にかけて公演を行っているあたりは、さしずめ北前船商人スピリッツが息づいているとのこと。
 瀬戸内赤穂市の坂越(さこし)も忘れ得ぬ寄港地だそうです。現在でも銘酒「忠臣蔵」の蔵元の奥藤酒造は、かつて北前船主として米・酒・赤穂塩を運んだ大店でもあり創業400年の伝統を誇るところですが、訪問時、現地郷土館の調査員と遭遇し、忠臣蔵の仇討ちばかりでない観光ソースを北前船寄港地に求めていく民間レベルのコンテンツ掘り起こし活動にいたく共鳴しています。
 平成28年11月には江差で開催された「北前船寄港地フォーラム」に出席した際に坂越からも参加があって件の調査員と再会をはたしています。北前船寄港地という歴史的共通項で繋がったフォーラムの議長は「北前船コリドール(回廊)構想」を提唱した作家の石川好氏だそうです。平成19年に山形県酒田市で第1回が開催されて以降毎年複数回開催され 江差大会は第18回に当たり この間北海道では第4回松前、第9回函館と開催されてきています。
 観光コンテンツとして地域の単独アピールはNHK大河ドラマの舞台にでもならない限り難しい、地域を繋ぐ北前船寄港地というファクターを掲げ北海道から関西までの西廻り航路をアピールすることは非常に魅力的なプランだといいます。特に明治時代以降 裏日本と呼ばれたこれら地域を表舞台に引っ張り出すきっかけになって、一極集中の東京を見返してやりたいと過激な発言もありました。
 今年の春先には北前船が現在申請中の日本遺産登録となって現代に甦ることを願ってやまないと締めくくりがありました。
 参加者は講師を含め7名でした。

講義中の松尾氏A.jpg
(講義中の松尾氏)

講義風景(松尾氏)A.jpg
(講義風景)



講義風景(パノラマ写真)A.jpg

(講義風景・画面クリックでパノラマ写真)
posted by esre at 08:28| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学