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2018年09月03日

eSRU第13期第9講案内

eシルクロード大学(eSRU)第13期第9講案内です。

日時:2018年9月20日(木) 18:00〜19:30
講師:エイブルソフト(株)前社長 森 成市氏
演題: 「36年間経営のIT会社をM&A売却、そして著作の初出版へ」
場所:ユビキタス協創広場U-cala
http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:
 ビジネスパッケージソフトの老舗「エイブルソフト」を昨年M&A売却、
その訳と手法と結果を当事者が札幌で初めて語ってくれます。
さらには、10月15日文芸社から全国販売の森氏の初著作
「おバカじゃないの、ニッポン」の事前紹介。出版社からはヒットの期待も
寄せられています。
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2018年08月24日

eSRU第13期第8講

eシルクロード大学(eSRU)第13期第8講は
2018年8月23日(木) 18:00〜19:50
講師に札幌新陽高校校長荒井優(ゆたか)氏をお迎えし、
「本気で挑戦する人の母校 札幌新陽高校の教育改革〜
出会いと原体験による教育リノベーション〜」
の演題でお話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。

 荒井氏が校長を勤める札幌新陽高校は札幌慈恵学園が経営する高等学校です。同学園は荒井氏の祖父に当たる荒井龍雄氏が札幌慈恵女子高等学校を創立した事に始まり、同女子高が札幌新陽高校に学校組織を変えています。現在の同学園理事長は衆議院議員の荒井聰氏で優校長は聰氏の息子の関係にあります。理事長の要請で2016年に校長職に就いた時は全国最年少校長でした。

 荒井氏は大学卒業後企業に勤め、ソフトバンク(株)の孫正義社長の下で社長室勤務を経験しており、教育界と縁が無かった事もあり、校長就任後高校経営に徹して、演題にある教育リノベーションを推進できたのだと思われます。孫社長の薫陶を得て社会や組織のしっかりしていないところを企業人の目線で探り、目的の実行につなげている感じです。

 そもそも現在の高等学校は教育全体の中での位置付がはっきりしていないとの解説には驚きです。義務教育の小学校はprimary school、中学校は secondary schoolで義務教育が終わった後の高校はhigh schoolと英訳されて海外のこのカテゴリーの教育組織に対応するものかと思っていると、日本の高校の英訳はupper secondary schoolでかなりあいまいな存在であるそうです。

 旧制高校では、大学に進学した場合に、講義の理解や専門分野に進むための準備の教育を行うというはっきりしたものがあったのに対して、現在の高校は、何故多くの総合教科を学習しなければならないのかが、はっきりしていない。教育する方も大学受験に必要だからと惰性的に教えているが、教育の目的があいまいなので理解できず座っている生徒をそのままにしていて、生徒のマネジメントができていない。この点、部活動は目標があり、生徒のマネジメントが出来るので、部活動の先生の意見が高校の組織に反映され易くなる。しかし、部活動はあくまでも課外活動であって高校教育の根幹ではない。高校は全国に約5千校あり、3年生は約100万人、そのうち60%が大学進学、40%が就職等に振り分けられている現状で、高校のあいまいな立場は問題を孕んでいる。そこに高校リノベーションの鍵がある、というのが荒井校長の持論です。

 偏差値上位の高校を除けば、高校生の1/3は小学4年生の学力だそうです。これは社会の現状が学力に反映しています。札幌新陽高校の場合、1/3が母子家庭で、小学4年になって宿題を出されると、宿題をやらせて面倒を見る親が居ない。こうなると家庭での学習の放棄につながり、そのまま高校に進学する。このような高校生を抱えた場合、学力をつけるのは動機付けが大切で、何をどのように学ばせるかよりも、何のために勉強するかの指針を示す方が学力向上に効果がある。そのため札幌新陽高校では探求コースの授業の採用を始めたそうです。

 従来の一般的授業では受験科目毎に分かれた各教科を相互関連のないまま教えるのに対して、探求コースではあるテーマを決め、そのテーマに必要とされる科目を関連づけて学習していく。宇宙開発であればロケットの軌道計算に数学やコンピュータ解析、宇宙空間での物体の動きを理解する物理、宇宙開発の利用法を社会科の観点から考察する、海外の文献を読むための英語、レポートをまとめるための国語、等々と現在学んでいる教科が目的に沿った知識獲得であることを理解させて授業を進める、というものです。

 ビジネスの世界で仕事をしてきて荒井校長は、高校経営の観点から誰が顧客で顧客に対してどんなサービスを提供できるのかを常に考えているようです。高校の場合、顧客は第一義的には生徒です。しかし、前述のような母子家庭を考えると、母親が顧客とみなせるそうです。働きに出てあまり子どもと接することが無い状況で、高校生の我が子から高校生活での成果を聞くことになれば、親の方がその高校に我が子を通わせる事に積極的になり、子どもからの報告が高校からのサービスと思えてくる、という考え方です。

 新陽高校では卒業後に奨学金等が充実している大学を探し、生徒の受験の手助けを積極的に行っているとの事です。そのために全国の大学の情報を得るための専任の職員が全国を飛び回ります。経費は年間300万円で、なるべく多くの大学を訪問するためアポイント無しの飛び込みで大学から話を聞き出すそうです。アポイントを取っていては回れるところが少なくなるので、それを回避するためと聞くとなるほどと思いました。新陽高校の卒業生が、進学した大学で選ばれてスピーチをした例などが紹介されました。北海道の高校生は本州やさらに海外の大学に行きたがらないというのは本当ではなく、大学の情報がきちんと生徒に伝わるとどんどん北海道から出て行くとのお話でした。

 大学の話も出て来て、これからは学歴社会から最新学習社会への流れになるだろうとの解説です。大学の授業料は多くは企業が支払うようになるのではないか、と予想も語られました。少子化では大学生の求人にコストがかかり、短期間の就職活動では良い人材が得られる保証もない。それなら、大学の授業料は企業が持ち、そのような学生から採用者を選ぶ方がコストは抑えられる。現在でもこのような奨学金制度はあるでしょうが、それがもっと一般的なものになっていくだろうとの見通しです。

 大学の問題点についての話もありました。「古習の惑溺」の言葉も紹介され、従来のやり方を繰り返しているだけでは人材は育たない。この言葉を打ち破らねば大学で人材を育てる事に行き詰まる。企業も「古習の惑溺」の大学生を採用していては将来の発展が望めない。荒井校長は高校教育を突破口にして日本の教育制度の変革を目論んでいるように見えました。

 出席者は6名でした。

講義中の荒井氏A.jpg
(講義中の荒井氏)

探求コースの解説A.jpg
(探求コースの解説)

教育における価値の転換A.jpg
(教育における価値の転換)

8・23(その2)高校を 経営で変え 新校長A.jpg
(講義風景、ここをクリックするとパノラマ写真
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2018年08月07日

eSRU第13期第8講案内

eシルクロード大学(eSRU)第13期第8講案内です。

日時:2018年8月23日(木) 18:00〜19:30
講師:札幌新陽高校校長 荒井 優氏
演題: 「本気で挑戦する人の母校 札幌新陽高校の教育改革
〜出会いと原体験による教育リノベーション〜」
場所:ユビキタス協創広場U-cala
http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:
荒井氏が新陽高校の校長に着任して
・1年で新入生が倍増
・2年で大学進学率が倍増
を達成し、いま、「日本で最も勢いのある高校」と評価される
札幌新陽高校が提唱するこれからの教育についてお話を伺います。
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2018年07月31日

eSRU第13期第7講

eシルクロード大学(eSRU)第13期第7講は
2018年7月19日(木) 18:00〜19:30
講師に、HBCラジオ・パーソナリティ 田村美香さんをお迎えし、
「ラジオ・パーソナリティの手作りイベント『ミカ・フェス』の軌跡」
の演題でお話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。

 ラジオ・パーソナリティとはラジオ番組の司会・進行役ですが、英語の用語には日本語の表現ではカバーできない意味合いがあります。司会・進行役というと、主役になる人が別に居て、番組や会がスムーズに進行する役目に徹します。司会者が主役になっては意味がありません。この点パーソナリティとは司会・進行役が主役を務めている、といったところがあります。

 お話のテーマにある「ミカ・フェス」とは、パーソナリティの田村さんが、マイクの前でのトークのみではリスナーの顔が見えないということで、ラジオ・パーソナリティとリスナーがface to faceで交流するイベントを、田村さんが手作りで企画・実行させたリスナーサービスです。「ミカ・フェス」については公式サイト(http://tamuramika.jp/?page_id=51)で紹介されています。 

 今回の講師の選定はHBCラジオのプロデューサー榊原満氏の推薦によるもので、講演当日は榊原氏がプロジェクターにスライドを出す助手役を務めておられました。仕事の役回りから言えば、フリーとはいってもパーソナリティとプロデューサーの関係ではプロデューサーが上司に当たると思われますが、講義では榊原氏は助手役に徹していました。調子の悪い会場備え付けのパソコンで「美香フェス」の写真を1枚1枚クリックしてプロジェクターで表示する役で悪戦苦闘して居られました。PowerPointのデータとして画像を組み込んでおくともっとスムーズな画像表示ができるのにと思いつつ、画像(映像)無しのラジオの世界の人である一面が現れているのかな、というのが筆者の感想です。

 榊原氏の話では、優れたパーソナリティは優れたプロデューサーでもあるので、役回り上プロデューの立場にあっても、パーソナリティの助手役に徹していても、うまく物事は実行されて行くそうで、謙遜の辞もあるでしょうが、確かにそのような側面はあると田村さんの講義を聞いていても感じました。

 「美香フェス」は毎年実施されていて、今年の年末の企画は6回目を数えるまでになっています。毎年の企画は実施の数か月前から準備に入っていて、どんな出し物にするかを田村さん自ら立案するそうです。過去の上手く行かなかった点などを参考に、新しい企画を実現させます。例えば、北島三郎のメークで会場に現れると出席者に大受けとなります。しかし、最後までそのメークで通さねばならない点が問題で、他の著名人のイメージが固定されたままでイベントが進行して行くと、田村さんの地のキャラクターでのおもてなしには支障をきたすとのお話で、いわれてみるとそうかも知れません。

 田村さんは別海町出身で、別海町観光大使を委嘱されています。観光大使の名刺には野付半島の空撮写真が刷り込まれていました。別海町と耳にすると、広い大地に牛が放牧されているイメージが浮かぶのですが、野付湾を囲む砂嘴が別海町に属している事は北海道人にも余り知られていないのではないかと思います。今年筆者が出版した「北海道の絶景空撮パノラマカレンダー2018年」の5月の写真は、ドローンを上げて野付半島で撮影した空撮パノラマ写真を採用しており、田村さんの名刺の写真にあった別海町の事を思い出しました。

 田村さんとの会話中で、田村さんがHBCラジオでのアナウンサーの仕事で「カーナビラジオ午後一番」を担当されていたとの話題が出てきました。そこで筆者の昔の記憶を呼び起こすと、何度かこの番組の外回りの取材に案内役で出演していたのを思い出しました。現場のリポートを田村さんがスタジオで聴いていたそうです。筆者のブログを探してみると、2008年8月5日に札幌市中央区の新善光寺天然石菩薩像を取材した時の写真と、この番組のスタッフの写真がありました。スタッフの中の女性が田村さんだろうと推測しているのですが、確かめてはいません。この番組の現場でのパーソナリティは大森氏で、10年後の現在の大森氏はやはりラジオ番組に関わっているのかな、とぼんやり思っています。

 講義後はいつものように会場近くのビアケラーで講師(と助手役)を囲んで講義の続きです。同席のN君はガチガチの現役技術者で、メディア関係の世界にどうして興味があるのかと考えると、かつて幹部であったH社は全国区のゲーム会社で、それでコンテンツやメディアに感心が深いのかな、との推測です。講義後の放談会の費用はN君が支払っていて、これには感謝、多謝です。

出席者は10名でした。

eSRUで講義中の田村美香さんA.jpg
(講義中の田村美香さん)

助手役の榊原満プロデューサーA.jpg
(助手役の榊原満プロデューサー)

北島三郎に扮する田村さんA.jpg
(北島三郎に扮する田村さん)

カーナビラジオの宣伝・ブログ2008年8月5日A.jpg
(カーナビラジオの宣伝)

7・19パソコンの 回復待つ間 写真撮りA.jpg
(会場の様子・ここをクリックでパノラマ写真
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2018年07月02日

eSRU第13期第7講案内

 eシルクロード大学(eSRU)第13期第7講案内です。

日時:2018年7月19日(木) 18:00〜19:30
講師:HBCラジオ・パーソナリティ 田村美香氏
演題: 「ラジオパーソナリティの手作りイベント「ミカ・フェス」の軌跡」
場所:ユビキタス協創広場U-cala
http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:イベント企画の経験・実績のない単なるラジオパーソナリティ田村美香が自前で立ち上げたイベント「ミカ・フェス」の歴史を紹介します。
 そもそもがラジオ・リスナーとの交流の場を持ちたいと、単なる思い付きからスタートしたイベントが、試行錯誤の果てに今や募集と同時にソールドアウトする人気イベントになるまでの汗と涙の物語です。
 ボツ企画の数々から企画者自身が学んだ成功のポイントとは?
<田村美香氏HP> http://tamuramika.jp/?page_id=6
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eSRU第13期第6講

eシルクロード大学(eSRU)第13期第6講は
2018年6月21日(木) 18:00〜19:30
講師に特定行政書士 松岡京子さんをお迎えして、
「家族信託とは〜財産を(守る)(活かす)(遺す)新しいかたち」の
演題でお話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。

 最初に、旧北海道拓殖銀行に勤務され、その後、特定行政書士として活躍されている松岡さんの簡単な自己紹介がありました。

 まず、最近新聞等で目にする「家族信託」の説明がありました。「信託」というと、「投資信託」とか、信託銀行というのがまず思い浮かびますが、「家族信託」の「信託」は全く違うものとのことです。どこが違うかというと、今まで信託というと、主に「商事信託」(「営業信託」)で、信託銀行や信託会社が、信託報酬を得るために業務として行っているもので、信託業法の制約を受けています。

 これに対し、「民事信託」は、財産を管理する人が、信託報酬を得ないで行う信託、つまり非営利にやっているので、信託業法の制限を受けなくなりました。財産を管理する人は、個人でも法人(一般社団、株式会社等)でも誰でもなることができます。つまり、民事信託は、信託銀行や信託会社が行うべきものではなく、一般の人が「財産管理の一手法」として利用できる仕組みで、大変身近なものになったとのことです。

 これは、信託法の大改正により実現されました。信託法という法律は、大正時代にできた法律で、金融商品としての性質を持ち、信託銀行等が取り扱う資産運用としての活用が主流でしたが、85年ぶりの大改正で、金融商品ではなく一般の人も使える財産管理の手法として利用しやすくなったとのことです。平成19年9月30日施行で、まだ10年経っていない新しい制度です。

 それでは、財産管理を誰に任せたらいいのか?という問題が出てきます。読んで字のごとく「信じて託す」相手として、最もふさわしいのは、自分の家族・親族(もっと言いますと、揉めていない家族関係が良好である)家族・親族に財産管理を任せる仕組みが、「家族信託」です。最近注目を集めているのは、この家族信託を、高齢になった場合、またはお子さんに障がいがあり親亡き後の心配がある場合の財産管理として、とても有効ではないかということで色々な場合に活用されていることに着目されたからのようです。確かに高齢になった場合、「終活」という言葉に誰しも関心を寄せているかと思います。現代の超高齢化社会においては、「長寿リスク」と「資産凍結リスク」という2つのリスクのことをちょっと考えておかなければならないとのことです。

 一つ目の「長寿のリスク」は、長寿が大変喜ばしいことと、手放しで喜べないのは、確かに実感としてあります。老後にどれだけお金が必要になるか、まったく予測ができないので、元気なうちに自分で思う存分使いたくても使えない。また、子や孫にあげたくてもあげられないというような悩みを抱えてしまいます。

 2つ目の「資産凍結リスク」で、認知症などで判断力が低下すると、定期預金が解約できない、自分名義の土地・建物を売却することが出来ない。 どのように対策を立てておこうか頭の痛い問題です。
 
 そこで家族信託の出番になり、今回は、『本人及び本人死亡後の配偶者の生活を守る』例として、山田さんという架空のお宅を例にとって説明がありました。

 登場人物は、夫:父郎さん、その妻:梅子さん、長男:子太郎さん、長女の4人家族です。
 設定は、
 夫:父郎さんは自分名義の自宅土地・建物と2千万の預貯金を持っています。
 妻:梅子さんは認知症になり、3年前から、施設に入所しています。
 子供:子太郎さん、長女は、二人とも、別に市に住んでいて、既に自宅も持っています。
 父郎さんは、妻梅子さんが施設に入所してから3年間、一人で頑張って生活してきましたが、身体が衰えてきて自宅での一人暮らしは辛くなり、数か月前に施設に入居し、自宅が空家になっています。

 介護施設に入居すると、一ケ月約20万かかるとのこと。(勿論施設によって、金額は様々でしょうけど)父郎さんと、梅子さんの二人になると、月40万になります。40万の出費はかなり大変で、年金で賄えない部分は、預貯金を取り崩していくことになりますが、なるべく現金は手元に残しておきたい。今後、父郎さんの空家になった自宅を売却して、介護費用に充てたいと長男と長女が考えました。最近の父郎さんの言動を考えると、何となく認知症の初期症状かと思われることもあり、長男、長女の心配が増しています。

 この場合、父郎さんが自宅を売却できるでしょうか?勿論、自分で判断出来る間は、父郎さんが自分の自宅を売却することは十分に可能です。実際の父郎さんの気持ちとしては、今すぐ自宅を手放すのは、ちょっと寂しいですし、面倒な手続きは長男に任せたいと思っています。

 家族信託契約で、この心配に対策をたてます。父郎さんが委託者(財産を持っている人)が長男:子太郎さんを受託者として(財産の管理を行う人)と信託財産を父郎さんの自宅として家族信託の契約を結ぶと心配の解消に繋がります。

 信託財産は、委託者から独立した別の財産という性質を持つ為、通常不動産を売る場合、持ち主の同意がないと売ることはできませんが、委託者が意思を表示することが不可能になってしまった場合でも、財産の管理を任された受託者が売ることができます。長男:子太郎さんが適当な時期に信託財産となった自宅を売却し、そのお金で毎月の父郎さん(と梅子さん)の施設費を払っていくことができるす。父郎さんの健康状態に左右されなくなりますので、父郎さんが認知症になり判断能力がなくなっても、長男子太郎さんの判断により、子太郎さん一人で父郎さんの自宅を売却し、現金化することが出来ます。

 何故、こういうことが可能かというと、父郎さんが持っている父郎さんの自宅の所有権とは、管理権と受益権の2つから成り立っているからです。管理権は、不動産の管理・売却等が出来る権利で、受益権は経済的な利益を得る権利です。今回、受益権は父郎さんが持ち続け、管理権だけを子太郎さんに移すという考え方なので、自宅の売却資金は父郎さん(と梅子さん)の為に使っていくことができるのが、生前贈与とも違うところです。父郎さんは、自分が亡くなった後、財産を誰に渡すのかも、家族信託で決めることができます。 まずは、長男子太郎さんに渡し、その後子太郎さんの子供に渡すことも、決めておくことができます。

 老後の安心のためには、遺言書、後見制度、家族信託が3つの柱になるようです。どの制度を活用していくかは、各家庭により事情が異なるでしょうが、上手に組合せていくことにより、安心な老後を実現することが出来るようです。

 その後、遺言書、後見制度の実際の活用場面の話がありました。質疑応答に移り、金融機関に長年勤務されたSさんからも色々なアドバイスを頂き、皆さん待ったなしの老後の問題を少しは身近に感じたのではないでしょうか?

出席者は13名でした。

6・21講義中の松岡さんA.jpg
(講義中の松岡さん)

6・21講義風景1A.jpg
(講義風景)

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(講義スライド)

6・21(その3)契約で 家族に託す 老後なりA.jpg
(講義風景のパノラマ写真:ここをクリック
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2018年06月01日

eSRU)第13期第6講案内

 eシルクロード大学(eSRU)第13期第6講案内です。

日時:2018年6月21日(木) 18:00〜19:30
講師:特定行政書士 松岡京子氏
演題: 「家族信託とは〜財産を(守る)(活かす)(遺す)新しいかたち」
場所:ユビキタス協創広場U-cala
http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:長寿社会になり、喜ばしい反面、誰もが長生きリスク、認知症のリスクを抱える時代になってきました。家や土地等の資産や預貯金を活かしながら、自分のため、配偶者のため、または子供の為に使っていく方法として、家族信託が今注目されております。遺言書、後見制度も含め、老後の備えとしての家族信託について特定行政書士の松岡京子氏にお話を伺います。
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2018年05月24日

eSRU第13期第5講

 eシルクロード大学(eSRU)第13期第5講は
2018年5月17日(木) 18:00〜19:30、
講師に(株)ACTNOW代表取締役穴田ゆかさんをお迎えして、
「いつでも誰でも挑戦できる!〜クラウドファンディング実践事例〜」
の演題でお話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場U-calaでした。

 最初に、赤平市でお仕事をしておられて、札幌に移り現在の仕事に就かれた穴田さんの簡単な自己紹介がありました。ACTNOW社の親会社はクリプトン・フューチャ・メディア(株)で、同社の伊藤博之社長には以前eSRUでお話していただいた事があります。

 クラウドファンディングはネットを介しての資金集めで、ネットだとCloud(雲)かと思っていたらCrowd(群衆)であると教えられました。この多くの人から寄付や資金を募る方法は、インターネットの技術を脇に置くと、新しいものではなく、日本では鎌倉時代から行われて来た「勧進(かんじん)帳」や「無尽(むじん)」に通じるものです。

 世界的に見てもアメリカの自由の女神像の台座部分の建設資金はアメリカ国民の寄付によるもので、6か月で10万ドルが集まったといわれています。フランスのルーブル美術館のサモトラケのニケの修復と大階段の改修のために目標額を100万ユーロに設定して2015年現在6,700名から資金が提供されています。

 クラウドファンディングの仕組みはまず何かを成し遂げたい挑戦者(ACTOR)を応援する仕組みです。挑戦者自らが多くの人に資金の応援を要請するのは、手間や労力がかかるので、プロジェクトの内容をACTNOW社(クラウドファンディン会社)に投稿します。会社の審査通過後そのプロジェクトが会社のHPに掲載されます。このHPを見て共鳴者(AUDIENCE)からの資金支援や応援が会社を通して挑戦者に渡ります。資金等を受け取った挑戦者はプロジェクトの実行と並行して共鳴者にお返し(リターン)を贈ります。資金調達以外に販路開拓やプロジェクトのプロモーションもあります。

 クラウドファンディンの成功のコツとしては、集めたい金額と集められる金額は一致しない点を事前に理解し、募金金額設定を上手く設定する事があります。挑戦者のPRが資金集めに一番効果が大きいので、プロジェクトを公開したら挑戦者がPRに努力するのが成功への近道です。プロジェクトの内容が伝わりにくいものは資金集めの途中でも見せ方、伝え方を常に再検討する事です。

 成功の三分の一ルールというのがあります。プロジェクトの目標金額の最低1/3は自分の直接の知り合いから集めます。残りの金額の内1/3は自分の友人・知人の友達、さらに残りの1/3は新たらしい共鳴者です。

 クラウドファンディンの性格による種別分けの解説がありました。まず寄付型で商品・サービスの見返りの無い寄付型があります。購入型は金銭以外の作品・商品・サービスのリターンがあります。さらに株や事業の利益配分をリターンとする金融型があります。ACTNOW社は現在のところ金融型は扱っていません。クラウドファンディンの市場は拡大しており、国内で最も扱う資金の大きいのが金融型で、2016年で推定380億円超、続いて購入型の推定90億円超、寄付型の推定4億円で合計480億円弱です。これに対して国外では340億ドル超(2015年)で、桁が二桁ほど違っています。

 クラウドファンディンにおける資金の受け取り方は、目標金額に達した場合のみ支援金の受け取りとリターンの発送を行うAll or Nothing方式、目標金に達しなくてもプロジェクトを実行するAll in方式、目標金額を定めず災害時の募金のようなFree Gaol方式があります。ふるさと納税は公共性の高い寄附の性格が強い自治体のクラウドファンディとみなすこともできます。

 クラウドファンディンを対象と目的としては、個人なら夢の実現や目標への挑戦、企業であれば売上げの確保や顧客獲得、民間団体であればマーケティングやプロモーション、公共機関であれば地域の問題解決や社会的課題解決が考えられます。

 ACTNOW社が手掛けて来た具体的事例の紹介がありました。十勝を世界に発信するための短編映画製作、羅臼町での洋菓子つくりや道の駅の羅臼ブランド商品開発、天売島でのゴミ拾い活動、札幌市での演劇団体の舞台装置購入やお茶カフェ開業資金集め、身障者用スキー開発費用や遠征費用等々の紹介がありました。

 最後にクラウドファンディンにとってもっとも重要な要素は、プロジェクト実行者やプロジェクトに係る人、それを応援しようとする人が共感を持てるものである事だとの解説がありました。

 この講義報告書作成者でeSRUの世話人の現在進行中のプロジェクト「北海道各地のマンホールの、全球パノラマ写真集『爪句@マンホールのある風景』を出版したい」の紹介(ACTNOW社のHP(http://actnow.jp/))もあり、それに基づいた質疑応答も行われました。

 出席者は8名でした。

eSRUで講義中の穴田さんA.jpg
(講義中の穴田さん)

ACTNOW社のHPの現在進行中の応募プロジェクトA.jpg
(ACTNOW社のHPの現在進行中の応募プロジェクト)

eSRUで講義中の穴田さん(パノラマ写真)A.jpg
(講義風景、ここをクリックするとパノラマ写真
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2018年05月01日

eSRU第13期第5講の案内

 eシルクロード大学(eSRU)第13期第5講案内です。

日時:2018年5月17日(木) 18:00〜19:30
講師:(株)ACTNOW代表取締役 穴田ゆか氏
演題: いつでも誰でも挑戦できる!〜クラウドファンディング実践事例〜
場所:ユビキタス協創広場U-cala
http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas/sapporo/index.html
内容:クラウドファンディングとはどんな仕組みでどのようにして利用できるか、実践の事例を参考して解説を行っていただきます。講義前にACTNOW社のHP(http://actnow.jp/)をご覧いただくとより理解が深まります。実践例としてeSRUの世話人の現在進行形のプロジェクト「北海道各地のマンホールの、全球パノラマ写真集『爪句@マンホールのある風景』を出版したい」の紹介も予定されています。
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2018年04月21日

eSRU第13期第4講

 eシルクロード大学(eSRU)第13期第4講は
2018年4月19日(木) 18:00〜19:30、
講師にNPO法人北海道雪崩研究会理事松浦孝之氏をお迎えして
「雪崩のメカニズムを如何に登山者やスキーヤーに伝えるか〜那須雪崩事故から学ぶ〜」
の演題でお話を伺いました。
場所はいつものユビキタス協創広場 U-calaでした。

 最初に松浦氏の自己紹介がありました。元小学校の教諭で退職時は厚別東小学校長でありながら、登山歴は40年に及び、マッターホルンやモンブラン等の世界的に有名な山々の登頂経験があるそうです。また、雪崩講習会を1994年から開講し、講師も24年間行っており、日本雪氷学会の会員で北海道の雪崩学の第一人者であるとのことです。ニトヌプリ雪崩や尻別岳雪崩事故調査を行ったことがあるそうです。同氏が理事を務めるNPO法人北海道雪崩研究会では、雪崩の発生メカニズムから積雪の安定性を調べて雪崩リスクを判定、さらには雪崩トランシーバ(‘雪崩ビーコン)の実践的の講習会を行っているとのことです。

 先ず平成29年3月27日に発生した那須雪崩事故の事例に基づいた具体的な検証結果についての解説がありました。事故の概要は下記のとおりです。
・「春山の講習会」を7校合同の講習会として開催
・生徒51名、引率教員11名
・死亡8名(教員1名を含む)、重傷2名
・雪崩発生場所は斜面40度で下でも38度程度あり、雪崩が発生しやすいと考えられる場所
・樹林帯を登ったが事故現場の上方には木が生えていない
・雪崩が発生する可能性があるかを調べる弱層検査は生徒が行った
・下見は3/11、事故発生3/27の2週間前であった
・気象台が「雪崩注意報」を発令していた

 那須の雪崩事故の検証委員会の報告の概要は以下のようなものです。
「事故の課題 経験則から安全だと思った」
1 講習会は安全でなくてはならない
  登山のリスクや場所の担保
2 高校生の部活における強制性の課題
  生徒と親が「参加する」決定プロセス
3 指導する講師の課題
  学校の教師はプロガイドではない
4 山岳の雪崩管理と認識
  茶臼山・過去の雪崩の例
※自然発生雪崩か人為的雪崩かは判明しなかった

 問題点(事故原因)と考えられることとしては以下の点が挙げられます。
 ・講習会の場所は冬山状態なのに「春山の講習会」として開催された
 ・事故を想定していない(シャベル、プローブ、ビーコン等の装備なし)
 ・荒天の際の代替案等も、事前に検討されてなかった
 ・最終的には主催した県高校体育連盟が責任を持つが、現場の責任者が曖昧で安全管理について十分に配慮した責任ある行動をとり得なかった可能性がある
 ・一部の生徒が教員の従わず、先に登っていった
さらに、
 ・教員が引率=強制性があると認識する問題
 ・水泳の指導のような感覚で、教師が何でもできると思ってしまった?

 実際に発生した雪崩の2つの動画を見せていただきました。1つの動画は撮影者が雪崩に巻き込まれていくものでした。撮影者は見通しの良いところから雪崩を撮影するので、雪崩に巻き込まれるリスクが高いとのことです。
 
 ただし、栃木県教育委員会は「一律に禁止する措置は取らず、雪崩発生の危険性がないところに限って活動を認める」としたことは評価されるものであるとのことです。

 カナダの雪崩事故の例からの教訓の話がありました。
カナダで2003年7名の高校生が死亡した雪崩事故が発生したが、全員が雪崩トランシーバ、ビーコン、シャベル、ゾンデ棒(プローブ)を携行し、さらに事故発生直後に衛星電話で救助要請を行った。5分後に1名救出し、40分後に10名の救助隊員がヘリで到着して、40名全員を80分後に掘り出した。安全対策として、その後も登山講習中を中止するのではなく、より安全が確保されるところで訓練を行うものとした。(那須の雪崩事故では救助隊は2時間後に到着し、それまでの間は手で掘り出したが顔を掘り出すことがやっとだったとのことです。)

 事故後カナダでは学校における登山講習会の試みが続けられ
・親に「インフォームドコンセント」・「情報提供」を行う
・カナダのマウンテン・ガイド協会を通じて認定された指導者が学校グループを指導する
・安全性に焦点を当てたカナダ雪崩センターを作る

 日本の雪崩対策等の問題点としては
 ・気象台が雪崩注意報を出している程度であり、それも山岳ではなく平地に対するものである
 ・雪崩注意報は頻繁に発令されるため、注意意識が低下している
 ・雪崩事故の発生現場の状況が共有されていない
 ・雪崩のメカニズム等が山岳部等に所属していない登山者やスキーヤーに伝わっていない

 25年前の雪崩学の現状としては
 ・基本的に雪崩事故対策として役に立たない
 ・弱層の強度を測り、積雪の安定性を評価する傾向
 ・事故は主に登山者であり冬山のセオリーが強調され経験主義

 茶臼岳の雪崩事故のお話があり、平成22年3月27日に引率の教員が雪崩に巻き込まれ、50〜60m流された。この事故の時には弱層テストはしていなかったとのことです。現地では過去にも雪崩事故があったとのことです。

 情報共用の実践を行っている紹介がありました。北海道山岳雪崩事故WEBデーターベースの構築を行っており、国土地理院の地図を用いることで三次元的に雪崩事故発生現場を知ることができるとのことです。
http://kenkyu.h-nadare.com/?page_id=407 (北海道山岳雪崩事故WEBデーターベースのURL)

 海外では15分以内に救助することにより生存率が高くなることが知られているが、日本にはそのような情報はないとのことでした。日本海側の雪は湿っていて重いことが多いことから窒息死に至るまで短く、低温で軽い雪では18分程度大丈夫かもしれないとのことでした。このような検証も日本ではされてないとのことです。

 雪崩トランシーバ(雪崩ビーコン)の紹介がありました。雪崩トランシーバはアンテナが1本・2本・3本とそれぞれの世代に対応しており、最新の3本アンテナの製品ではDSPが搭載されているとのことでした。雪崩トランシーバの仕組みはメーカーが公開されておらず、使いこなすためには経験と訓練が重要であるとのことです。3本アンテナうち一番短いアンテナは近傍であることを知るためでもあるそうです。
雪崩トランシーバで探索したのちはプローブによって遭難者を捜索して、そこを掘ることになるが手では無理であり、必ず携行したシャベルを使用する必要があるとのことです。バーアンテナを使用していることから磁力線の特性の知識も重要であるとのことです。1本アンテナの世代には3m偽のマキシマムと3mスパイクが発生して、捜索を難しくしていたとの話がありました。3本アンテナのものは、初心者でも使いやすいとのことです。

 多数回積雪安定性テストというのがあり、雪崩リスクを判断するため、シャベルコンプレッションテスト(CT)というものがあり、破断するまでのシャベルでたたく回数が少ないほど危険であるとのことです。その結果は例えば下記のように表記し、
CTE2SC@34cm
テスト名 回数 破談の特徴 破断した箇所の順となっているそうです。
さらに、松浦氏が自身でデータ収集を続けていきたいと考えており、雪のたまり方で異なることや凸状斜面と緩斜面の違いに注意が必要であるそうです。

 日本の雪氷学自体は国際的な水準にあるそうですが、雪崩に関する研究の事例は多くはないそうです。雪崩リスク3要素は、「暴露」・「脆弱性」・「雪崩ハザード」であり、その意味することを理解することが必要であるそうです。

 聴講者のコメントで、「北海道山岳雪崩事故WEBデーターベース」を高く評価するものがありました。

 出席者は8名でした。

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(講義中の松浦氏)

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(講義のテーマ)

4・19(その3)熱弁で 雪崩啓蒙 普及なりA.jpg
(講義風景:ここをクリックでパノラマ写真表示
posted by esre at 11:33| Comment(0) | TrackBack(0) | eシルクロード大学